《オムレツ・オラクル》第2章 運命に抗うオムレツ

《オムレツ・オラクル》第2章 運命に抗うオムレツ

ミアの前に現れたのは、幼なじみのレオ。
「久しぶりだな。」
彼は海外留学から戻ったばかりで、偶然街でミアと再会したのだ。

「……まさか、これが占いの結果?」

ミアは戸惑いながらも、彼との時間が楽しくて仕方がなかった。
だが、同時に別の思いもよぎる。

「これは本当に運命? それともただの偶然?」

彼女は再び「オムレツ・オラクル」を訪れる。
「アレクさん、もう一度占ってください。」
アレクは静かに微笑み、再びオムレツを焼く。

そして、オムレツの表面に現れたのは……

「……『塔』のカード?」

それは、変化や崩壊を意味するカードだった。

「運命は固定されたものじゃない。自分の選択次第で、未来はいくらでも変わるんだよ。」

ミアは、レオとの関係を深めるか、それとも新たな道を探すのか——自分で選ばなければならなかった。

悩んだ末に、ミアは自分の気持ちを信じることに決めた。
彼女はもう占いに頼らない。自分の心が導く道こそが「本当の運命」だから。

「ありがとう、アレクさん。」

彼女が店を去った後、アレクは静かに微笑んだ。
彼はタロットカードをめくる——そこに出たのは『太陽』のカード。

「……ふふっ、やっぱりな。」

それは、幸福と成功を象徴するカードだった。

運命は、オムレツのように自分の手で形を作るもの。
占いは道しるべであり、決めるのは自分自身。

そして、「オムレツ・オラクル」は今日もまた、新たな運命を焼き上げる——。

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